小泉医院遠絡医療センター ブログ

医療法人財団 東西医会 草加整形外科内科&小泉医院 遠絡統合医療センターからの情報発信です☆

腕のCRPS(複合性局所性疼痛症候群)や重度の冷え症の方へ  自分で治療! 温冷交代浴のススメ

温冷交代浴をご存知ですか?

 

入浴時に温水と冷水交互に入ることで、体の不調や疲れをとる入浴法です。

 

血管の収縮や拡張を繰り返すことで血流の流れを促進し血流を増やします。これで「むくみ」や「痛み」「筋肉痛」を軽減します。また他にも自律神経のバランスを整えてくれる効果が期待できます。

 

一般的にはアスリートの方が、全身のボディケアやメンテナンスに使うことが多いセルフケア方法です。その場合は、入浴施設の設備を利用するか、ご家庭であれば浴槽で温浴後シャワーでの冷水浴を交互に行うなどで簡易的に行うことができます。(温度差があることが大切なので、シャワーによる冷水浴でも効果は期待できます。)

 

CRPS(複合性局所疼痛症候群)と呼ばれる神経障害性疼痛は、外傷などによる神経損傷のあとに傷が改善しても、焼けるように痛む灼熱感やビリッと痛みが走る電撃痛などを主とした痛みや、皮膚の変色、関節の拘縮等を合併する大変ツライ病気です。外傷などのきっかけがなく、原因不明で発症する場合もあります。温冷交代浴は、このCRPSの痛みに効果があることが報告されています。

 

この場合は、全身浴ではなく手、足などの症状のある部位を、通常42度前後の温水に3~4分、10度前後の冷水に30秒~1分、交互に入れて4~5回繰り返し、最後は温水で終了します。

 

単純な温浴よりも体表温度が2度前後上昇し、交代浴後も約30分間温度上昇が持続します。さらに皮膚を通しての温冷刺激が特殊な感覚神経を刺激しCRPS独特の痛みの改善を促します。

 

しかし、ご自宅で行う場合、手や足の場合は洗面器やバケツを使うことができますが、肘など腕全体の痛みの場合は水中にしっかりつけることができません。CRPSの場合は、シャワーだと、水が当たる刺激で痛みが増してしまう場合も多く、うまく実践できないことが多いようです。

 

先日腕全体にかけてのCRPSによる痛みで通院中の患者さまから、「これがあると良いですよ」と勧めて下さったグッズがあります。それがコチラ!

 

  

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その患者様は、特にきっかけはなく右肘関節から始まった強い痛みが前腕や手指・肩にまでひろがり、右腕全体がむくみ、赤く変色して外からは触れることもできない状態で、箸も鉛筆も持てず触れることもできない状態でした。

 

愛知県から治療にこられ、遠絡療法を実施するとその場で痛みの改善はありますが、効果が持続するようになるまで、少し時間がかかりました。ご自宅でも何かできないか、ということで小泉医師より温冷交代浴を勧められました。

 

はじめは、手首から先しか行うことができませんでしたが、ホームセンターでこのシリコンカゴを購入。温浴は浴槽で行い、そのまま浴槽に浮かべたこのカゴに腕全体をつけて冷水浴を行う、そしてまた浴槽で温浴を、浴槽につかったまま繰り返したそうです。温冷交代浴を始めてから、遠絡療法の効果も持続しやすくなり、腕のむくみや色の改善も自覚できるようになり、拘縮していた肘の関節も少しづつ曲げられるようになってきたということです。

 

使わないときは折りたためるそうなので、保管場所にも困らなくて済みそうです。

 

「折りたたみ バケツ」 や 「折りたたみ 桶」で検索すると数多く出てきます。同じような症状で交代浴に興味のある方は一度お試しください。

 

温冷交代浴は、手や足の冷え症の方にも充分効果が期待できます。

必ず、温浴で終わる様に気をつけながら、ぜひ取り組んでみてください!

線維筋痛症患者会・勉強会 『線維筋痛症と温熱療法』に参加してきました!

6月22日(土)、浅草・三井温熱株式会社で開催された医療講演会・体験会に参加してきました。テーマは「線維筋痛症と温熱療法」、当院でバイオレゾナンス療法(波動医学・振動医学)を担当されている高橋 秀則 先生(帝京平成大学特任教授)が講師を務められました。

 

医療講演会では線維筋痛症の説明から始まり、痛みについての解説や自分でできるセルフケアの紹介など盛り沢山の内容でした。特に「痛いときに手でさすると痛みが和らぐ原理」や「ストレスや不安と痛みの関係」は興味深い内容でした。

 

「てあて」という言葉もありますが、痛い部分をさすってあげることは、脊髄の中にある痛みを抑える働きを活性化させてくれるそうです。また、(特にお子様とかがそうだと思いますが)さすってもらうことで安心感が得られ(=不安が減る)、脳の中で起こる痛みの伝達を緩和することができます。昔からある「てあて」は痛みの増減にしっかりと影響をしていたんですね。

 

後半の体験会では、三井温熱株式会社の「宝睡」という温水マットを体験してきました。独自の循環ルートでほどよい温度の温水が巡るマットの上で休むこと15分、柔らかい暖かさで心地よい気持ちになることができました。

 

線維筋痛症のような原因不明の疾患であっても、治療だけでなく心身ともにケアすることの大切さを学べた一日でした。              (治療スタッフ K)

 

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線維筋痛症患者会「前向き闘病の会」主催「医療講演会と体験会」のお知らせ

 

6月22日(土)の午後に東京 浅草にて

線維筋痛症患者会の勉強会が開催されます。

 

当院で「バイオレゾナンス療法」を担当している

高橋秀則医師が講師をつとめます。

 

バイオレゾナンス療法についてはこちらをご参照ください▶

http://koizumi-enrac.webmedipr.jp/contents/bioresonance.html

 

線維筋痛症は、全身の疼痛に加え、睡眠障害・うつ傾向・過敏性腸症候群逆流性食道炎・過活動性膀胱などの自律神経系の症状を伴い。原因が特定されていないため確立した治療法もなく治療が難しい病気といわれています。

当院では『脳・脊髄の機能障害』ととらえ、患者様のライフフロー(生命エネルギー・生体の代謝活動の流れ)を改善する「遠絡療法」や、環境からの障害を除去し調整する「バイオレゾナンス療法」を組合せ、体の内・外からの治療を提供しています。

 

治療と同時に、患者様が普段の生活の中で

少しでもご自分自身でケアしていけるように、

今回の勉強会には、当院の職員も参加させていただく予定です。

 

また、今回の勉強会は、患者様とそのご家族、医療・介護・福祉関係者、学生、その他難病をサポートする社会づくりに理解と関心のある一般の方も対象としているようです。

 

関心のある方は、ぜひご参加してみられてはいかがでしょうか。

 

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「前向き闘病の会」につきましては

下記のURLまたはQRコードをご参照になってみてください。

     

         https://maemukitoubyou.jimdo.com/

 

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「日本遠絡統合医学会」学術研修会・症例報告会の様子を3分52秒の動画でどうぞ(小泉正弘医師の教育講演など)

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文章下の画像をクリックしてください☆

 

2019年5月26日(日)東京海洋大学白鷹館多目的ホールにて

日本遠絡統合医学会 学術研修会が開催され

当院院長の小泉正弘医師が教育講演を行いました。

日本遠絡統合医学会では、年に数回

日本国内で遠絡統合医学・遠絡統合療法を学び

実践している医師や治療家が集まり

症例報告などの勉強会を積み重ねています。

一人でも多くの患者様に良くなっていただく為に

様々な経験を交流して学んでいます。

当日の様子がわかる4分ほどのダイジェスト版です。

CRPSや脳梗塞後遺症の方などぜひご覧になってみてください。

 

youtu.be

 

 

 

小泉正弘院長が国立台湾大学にて招待講演を行いました。

令和元年を3日後に控えた4月28日

 

当院院長 小泉正弘医師が、国立台湾大学に招待されて台湾国内から集まった約200名の医師に遠絡医学の講演を行いました。

台湾には、日本の厚生労働省にあたる機関の認可を受けていている「台湾遠絡医学会」があり、遠絡統合療法に対する関心も高いようです。

国立台湾大学は、台湾では日本の東大のようにレベルの高い大学ということで、小泉先生も講演にあたっては入念に準備をされていました。

 

開けて令和元年5月2日

義大医学部付属 義大病院では、全病院の職員180名の前で講演し、その後、義大病院で患者様の治療にあたりました。

両側アキレス腱痛・右膝痛・難聴の方で10の痛みが2まで改善、補聴器も外して聞こえるようになったということでした。

 

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        国立 台湾大学医学部での講演です。

 

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     国立台湾大学では、200名の医師が集まり遠絡医学について学びました。

 

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       義大医学部義大病院の先生方と

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        両アキレス腱痛・右膝痛・難聴の患者様を遠絡治療

        その場で改善をえられました。

 

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 小泉先生の同窓生からの祝辞をいただきました。

 

 以上 ご報告でした。

鎮痛脳リハビリ1 『マインドフルネス編』

    脳の「痛みをしずめる力」を強めるセルフトレーニング(鎮痛脳リハビリ1)

            『マインドフルネス編』

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人間の体には、体から脳に痛みの情報を伝える伝導路(痛みのアクセル)と、脳から体へ痛みのブレーキをかけるシステムがあります。(下行性疼痛抑制系)

      

 線維筋痛症CRPS帯状疱疹後神経痛など難治性の痛みで長く苦しんでいる方は、この痛みのブレーキシステムが上手く働かず、痛みの伝導路からの情報に脳が必要以上に注意を向けた状態が固定・増強していると言われています。(脳の誤作動)

 

遠絡療法による脳のライフフローを改善する治療は、脳の血流や髄液、神経伝達物質、ホルモンなどの流れを改善し、セロトニンなどの分泌を促進することで、このブレーキシステムを再び発動しやすい状態にします。

 

同時に自分でブレーキを踏む作業を繰り返すことで、この力を強めることが大切です。

そのために役立つ方法を、少しづつご紹介していきたいと思います。

 

【マインドフルネス編】

 

「ブレーキを踏む=痛み以外の感覚に注意を向ける」です。

そのために、有効とされるものの一つに

「  マインドフルネスによるトレーニング」があります。

 

マインドフルネスとは「今ここにある心の在り方」のことを言います。

 

簡単に実践できそうなものをご紹介しますので、

ぜひ一日の中で何度も取り組んでみてください。

徐々に脳の注意が外向きになり、痛みのブレーキをかける働きを回復することができます。

 

 ・・・・・五感に注意を向けるトレーニング・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【レーズン・エクササイズ】 (味わいレッスン)

①視覚:表面の形・色・光沢・凹凸・転がした時の動きなどの視覚的特徴をよく観察する

②嗅覚:匂いの性質や強さなどの視覚的特徴を感じる。鼻に近づけたり離したりしながら同じように。

③聴覚:指でこすったりした時に出る音に注意して聴覚的特徴を感じる。

④触覚:指ではさんで凹凸を感じたり、押して柔らかさ・肩さを確認したり、触覚的特徴を手で感じる。その後ゆっくりと口に含む。噛まずに舌の上で転がして、口の中でも触覚を感じる。

⑤味覚:ゆっくりと噛み、味を感じる。噛みながらそれぞれの変化を観察する。(嗅覚・聴覚も変化する)

⑥内受容感覚(内臓の感覚):ゆっくりと飲み込む。のどの奥から食道、胃への移動していく、内臓の感覚を感じる。

 

言葉にするのではなく、ただ、感じる、味わう、ということに集中して下さい!

 

 

    

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 【呼吸を数えるエスササイズ】

 

①靜かに座ります(リラックスできれば椅子でもソファーでも座禅でもOK!)

②目を閉じます。

③呼吸に注意を向けるために、まず1回大きく深呼吸をしましょう。

④姿勢と気持ちが落ち着いたら、目を閉じたまま二分間、

    自分の呼吸の回数を数えることに集中してみましょう

   (息を吸って吐いてで1回です)

 

まずはこれだけ、初めは2分間行ってみましょう。

呼吸を数える以外の、他の考えやイメージが浮かんできてもかまいません。途中どんなに脱線しても、集中を呼吸と呼吸を数えることに戻すことができればOKです。これだけでも、瞑想の呼吸にはいっていくことができます。

はじめは上手くできなくても、回数を重ねて時間をのばしていくようにします。

 

【歩く歩数を声に出して数える】

 

① 通院、買い物、散歩などの際、何歩で到着したか歩数を数えます。

 この時、口の中ででも良いので、声を出して数えます。

 途中で数えることを忘れてしまったら、またそこから数えます。

 

② 歩くことが難しい場合は、座ったまま両手を軽く肩の高さまで上げてから

  振り下ろします。「1回振り下ろしてまた肩の高さまで戻る」を1回として

  100回まで数を数えます。

  これも、小声で良いので声を出して数えるようにしましょう。

  両腕の力はなるべく余計な力を入れずにリラックスして行って下さい。

  慣れてきたら、だんだん回数を増やしていきましょう。

     

        

    《マインドフルネス的セルフトレーニングのコツ》

①注意を痛みや頭の中に向けないこと!

  ・・・・・頭の中に注意が向いている状態≒考え事や悩み事をしている状態

 

②頭の外の世界に注意を向けよう!

  頭の外の世界とは、五感⇒体の外の世界と、

  内臓感覚⇒体の中だけど頭の外の世界です。

 

 繰り返して行うたびに、少しづつブレーキの力がついてきます。

 気長に行ってみましょう!

 

次回以降は、脳のブレーキ効果を上げながら体全体の痛みを改善する

  「鎮痛・関節トレーニング」のやり方をご紹介していきます。

 

参考及び一部抜粋文献『ココロとカラダの痛みのための邪道な心理療法養成講座』粳間剛著(三輪書店)

 

 

 

      

「第48回日本慢性疼痛学会」で発表してきました!

2019年2月15日(金)16日(土)の2日間「第48回日本慢性疼痛学会」が岐阜県岐阜市で開催され、小泉正弘医師と堂下佐知子治療師が演題発表して参りました。

   

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小泉正弘医師は、

演題名『経穴刺激療法(遠絡療法)が有用であったHPVワクチン副反応の2症例』

ということで、

18歳女性で、子宮頸癌ワクチン接種後に始まった「頭痛」「下肢痛」「顎関節痛」「ゆびの痛み」「だるさ」「睡眠障害」の症状により高校通学も困難になっていた方が、遠絡療法で治療しながら次第に体調を回復、予備校通学可能となり、希望の大学合格して治療も終了となった患者様と

15歳女性(京都から来院)で、やはり子宮頸癌ワクチン接種後に始まった「足の不随意運動(足のふるえが止まらない)」と首から背中の痛みなどの患者様が、初回治療後ふるえが止まり、痛みも治まった患者様の報告でした。

 

堂下佐知子治療師は、

演題名『複合性局所疼痛症候群(CRPS)が疑われた両下肢難治性疼痛に遠絡療法が有効であった一症例』

ということで、

55歳女性で、5年前の腰痛治療をきっかけに、左下肢全体と右足に、灼熱感や電撃痛が発症し痛くて足をついて歩くことが困難になり車椅子となっていた患者様で、脊髄電極埋め込み手術も効果がなかった方に、遠絡療法による治療効果があった症例を報告されていただきました。

 

慢性疼痛学会には、整形外科や麻酔科(ペインクリニック)、精神科医などの医師の他にも、理学療法士鍼灸師臨床心理士など様々な職種が集まり多様な角度からの取り組みが発表されており、とても勉強になりました。

慢性的な痛みに苦しみ悩んでいる患者様に役立つと感じた情報など、今後もご紹介していきたいと思います。    

     

                          (治療師 堂下佐知子)