東西医会 ブログ

医療法人財団 東西医会 草加整形外科内科&小泉医院 遠絡統合医療センターからの情報発信です☆

「慢性疼痛」の患者さまへ  じっくりあせらず、まずは一緒に力を抜くことから始めましょう ^^

痛みは私たちが日常生活の中で経験する不快な感覚の一つです。

 

本来、痛みはからだのどこかに異常が発生したという信号を送るという大切な役割をしています。なくてはならないものです。

 

しかし、原因としての病気やけがによる損傷は治癒しているにもかかわらず、痛みやシビレだけがおおむね3か月以上続く痛みは、「慢性疼痛」と分類されます。もともとのお体の問題に上乗せされて「脳の誤作動が起こっている」と言われます。

 

体に異常が起こっているぞ!という信号としての原因がなくなってもサイレンが止まらずに、痛みにつながるわずかな刺激や、痛み以外の刺激(ストレスや自覚していないご自身の感情などを含む)も敏感に感じて、すべて痛みというサイレンにつながってしまい、痛みが増幅してしまう状態です。

 

症状は違いますが、まるでひどい花粉症や化学物質過敏症のような重度のアレルギーに似ているようにも思います。悪化すると、症状を引き起こす刺激がほんのわずかであっても体が大きく反応してしまい、ご本人を苦しめます。

 

線維筋痛症、CRPS(複合性局所疼痛症候群)、帯状疱疹後神経痛、慢性頭痛、三叉神経痛、脳血管障害後の神経因性疼痛などは、この脳の誤作動が本来の病状をさらに悪化させています。

 

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脳の誤作動は悪循環となり、月日がたつほど強く固定されてしまう傾向があります。なかなかお一人では脱出するのは難しいかもしれません。

 

でも、大丈夫です。人間の脳には、痛みを抑えるための働きがきちんと備わっています。脳の誤作動をしずめて、この働きを強めていくことが大切です。

 

当院では、「遠絡療法(えんらくりょうほう)」治療にて、痛み、しびれなどの症状にストップをかけ、脳の下降性疼痛抑制機構を賦活させていくことを中心に、医師によるくすりの調整、鎮痛リハビリメニューの作成、実施など、悪循環からの脱出に向けての支援に取り組んでいます。

 

ある線維筋痛症のステージⅢの40代の女性のお話です。

全身性異痛症アロディニアと言ってよい状態の方で、クーラーの風があたってもビリビリした痛みが増してしまい、立ったり歩いたり、その瞬間、瞬間であればなんらかの行為をすることはできるものの、少し負荷がすぎるとその後に全身、手足はもちろん顔や舌の先まで症状が悪化してしまいます。遠絡療法の治療も、棒による押圧刺激はおろか手で触る刺激も全くできない為、すべて半導体レーザーの光を使い毎回1時間以上かけて治療しています。治療後、ご症状は半減し数日は睡眠も確保できるのですが、また徐々に戻ってしまう状態で2年ほど通院されてきました。

以前は、色々やりたい気持ちは持ちつつも、痛みが悪化する恐怖からほぼ寝ている生活のため、じわじわと起立性低血圧なども悪化されていました。

なんとか痛みの悪循環から脱出の方向に向かおうと、数か月前から他院での薬の処方をやめて小泉医師による薬の再調整を行い、遠絡療法の実施回数を増加、鎮痛リハビリ日記の記入やマインドフルネスを意識した呼吸の練習など、一緒に取り組んできました。

その結果、ご家族の病気に対する理解も深まったご様子で、同居されているお母様との関係が良くなられたこと、屋内を一日200~300歩しか歩けない状態から意識して500歩程度は歩けつつあること、少しでも痛み以外のことを考えられるようにと、「編みぐるみ」や「パズル」(下の写真)にトライされるようになり、作業のあとは手や腰の痛みが強まるものの、作品が完成する喜びを感じて下さっているとご報告いただきました。

 

「いまここ」の「幸せ」「感謝」を感じられる毎日の積み重ねが、必ず「痛みの悪循環からの脱出」につながっていきます。

 

あせらずに、一緒に取り組んでいきましょう。

 

 

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